診療について

放射線検査の紹介

一般X線検査

X線写真は一種の影絵であり、外部から人体にX線をあて、透過してきたX線を画像化しています。光による影絵は一色であるのに対して、X線写真では濃淡が4段階(骨・水・脂肪・空気)に分かれます。これによって、人体の正常解剖や病変の有無および形を知ることができます。また、放射線による被ばく量も年間の自然放射線に比べても少なく、簡便な検査です。

胸部X線写真

X線透視検査

X線を連続的に出すことにより、動きのあるX線画像を得ることができます。代表的な検査としては胃や腸などの消化管のバリウム検査です。
消化管のバリウム検査では陽性造影剤(硫酸バリウム:白)と陰性造影剤(空気:黒)の2種類を組み合わせて、細かい粘膜表面を画像化することができ、癌や潰瘍などの隆起・陥凹(かんおう)病変を見つけることができます。

食道造影検査
胃造影検査

マンモグラフィ検査

マンモグラフィは、早期乳がんを見つけるための特殊なX線撮影のことです。
早期乳がんのサインでもある石灰化や腫瘍などを写し出します。これらの形や大きさ、分布などで、悪性度(カテゴリー)を決めていきます。
撮影では、乳房を圧迫板でやや強めに押さえます。これは、乳房内の構造を鮮明に写し、がんを見つけやすくするためです。
乳がんの早期発見のためには、セルフチェックや定期検診が大切です。とくにマンモグラフィは乳がんの早期発見に大きく貢献します。

マンモグラフィ画像

骨密度測定(DEXA)

骨密度(BMD)とは、骨の硬さ(強さ)を表す尺度のひとつで、骨の中にカルシウムなどのミネラルがどのくらい詰まっているかを数値化したものです。
骨密度が低下すると、骨がもろくなり骨折しやすくなります。骨密度は成長とともに増えていき、25歳前後にピークに達し、中年から初老にかけてその状態をキープした後は、徐々に低下していきます。骨粗鬆症を予防するためには、若いころから骨量を増やす生活習慣を身に付け、骨密度のピークをできるだけ高いところに持っていっておくことが大切です。
骨密度検査は、数分程度と短く、検査データの解析(骨密度)を検査終了と同時に自動的に開始します。検査後1~2分程度で検査結果がわかります。

CT(Computed Tomography :コンピュータ断層撮影

CT装置は、多方向からX線を照射することで得られたデータをコンピュータで計算することにより、人体の断層像を作り出すことができます。それにより、骨に囲まれた脳の画像を得ることができ、CTが開発された初期においては脳腫瘍、脳出血、脳梗塞などの病気を的確に判断できたため、診断学の分野で革命的な進歩をとげました。また、CTは一般X線写真より人体の構造を詳細に表示できるため、全身の各部位の病変をより詳細に検査することが可能です。

肋骨(3DCT)
胸部~下肢血管

MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)検査

MRIは、核磁気共鳴現象(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)を用いた画像検査です。CTと同様に人体の断層像を得ることができますが、CTではX線を使って物質(人体組織)のX線吸収を利用して画像を作成するのに対して、MRIではNMR信号によって画像を得る点が異なります。CTと比較して長所としては放射線被曝がないことと、高い濃度分解能(画像の白黒がはっきりしている)を示すことがあげられます。短所としては1検査の時間が20~30分と長く、磁気を利用しているために体内金属(ペースメーカー、不明な金属など)があると検査自体ができない場合があります。

MRCP
(胆嚢・胆管・膵管)
脳血流マップ
非造影下肢動脈

MRI装置による新しい検査

DWIBS(PET like MRI)全身の拡散強調背景抑制法
DWIBSは体の背景となる組織信号をほとんど抑制した拡散強調像を用いて、病変を含んだ限られた組織を描出するというMRI検査の一つの方法です。抽出される組織は腫瘍、血腫、膿瘍、リンパ節などでPETのような画像を得ることができ、がんの発見に力を発揮します。
進行胃癌
大腸癌
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