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特集・コラム

当院のリハビリテーションについて 原土井病院 リハビリテーション部長 志岐 精治

今回は当院のリハビリテーションについて御紹介致します。
現在、当院には理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を合わせて100名超のセラピストが勤務しています。
当院では主に回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟での入院リハビリテーションの他、通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション、デイケアでのリハビリテーションを行っています。その中で、まず私が専従医として勤務している回復期リハビリテーション病棟について詳しく御説明致します。
当院のリハビリテーション病棟はリハビリテーション専門医である私と内科医、整形外科医の3名体制で診療にあたっています。入院の対象疾患としては脳血管疾患(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血・頭蓋内血種等)や運動器疾患(大腿骨骨折の術後・膝関節の術後・脊椎の圧迫骨折等)が殆どですが、脊髄損傷や廃用症候群(肺炎や手術により日常生活動作能力が極端に低下した状態)、下肢切断後(事故によるものや糖尿病が進行した方等)、神経筋疾患、関節リウマチといった疾患の方も対象となります。

入院中は患者さんの生活再建、社会参加に向けチームでアプローチをします。チームの理念は、『患者さんが御自身のポテンシャルを最大限に引き出す御手伝いをする』です。チームのメンバーは主に医師・看護師・介護福祉士・薬剤師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・歯科医師・歯科衛生士・管理栄養士・医療ソーシャルワーカー・義肢装具士等で構成されています。また、当院の特徴として皮膚科や精神科を始め多科に渡る専門医が勤務しています。その為、入院中も適宜専門的診断や治療を受けることが出来ます。整形外科や皮膚科では当院で手術も行っています。

入院後の流れとしては、まず担当医による評価を行います。患者さんの重症度や年齢、入院前の日常生活動作能力等を考慮し予後予測をします。それに向けてチームでリハビリテーションの内容を決めて行きます。もちろん入院中に状況は変化する事も多いので、それに合わせ訓練内容も変えて行きます。退院後の方針も年齢や症状によりますが、復職や自宅退院、施設入所となります。自宅退院が御希望の方は退院前に試験外泊や家屋調査を実施することが殆どです。また状況に応じて介護サービスの調整や福祉用具使用の提案等も行います。復職を目指す方は、職場の方と面談を行い病状に合わせた職場復帰を調整することもあります。必要があれば、入院中に介護保険の申請書や身体障害者手帳の申請書も作成します。

ウォークエイド(歩行神経筋電気刺激装置)

低周波治療器(トリオ300 SE-231)

IVES(随意運動介助型電気刺激装置)

また週に1回、医師・セラピスト・義肢装具士による回診を行っています。多職種で患者さんの歩き方や日常生活動作を確認することによって、その方に適した訓練内容であるか等を評価します。繰り返し評価を行うことによって、その患者さんに最も適したオーダーメイドのリハビリテーションを提供させて頂いております。


ロボットスーツHAL®


ロボットスーツHAL®

オーダーメイドのリハビリテーションを行っていくため、様々な訓練方法や道具を用います。片麻痺患者さんに対しては川平法という促通運動をいち早く導入しました。電気刺激を用いて、自発運動を促すリハビリテーションも行っています。その他、ロボットスーツHAL®やHONDA歩行アシストといったロボットを用いたリハビリテーションも行っています。先程申し上げた回診時の評価で必要と判断した時は、その方に最適な装具や歩行補助具の選定や作製も行っています。

促通反復療法(川平法)

次に地域包括ケア病棟についてですが、現在2病棟を擁しています。リハビリテーション強化病棟として回復期リハビリテーション病棟と比較しても遜色の無いリハビリテーションを実施しています。
また、疾患別のリハビリテーションに関しては、先日冠動脈の撮影が可能なCT装置を設置しました。それにより、循環器内科専門医の管理のもと、より細やかな心臓リハビリテーションが実施可能となりました。

最後に開院したばかりの介護医療院についてですが、従来の医療療養病棟と比較し、より多くの時間、リハビリテーションを受けることが可能です。また、言語聴覚士を配置し嚥下訓練も積極的に行っていきます。
当院でのリハビリテーションを御希望の方は外来を受診頂くか、患者支援センターへ御相談下さい。
また、開業医の先生方、急性期病院の先生方、日頃から大変お世話になっております。対象疾患となる患者さんがいらっしゃいましたら、今後も当院へ御紹介頂ければ幸いです。

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