特集・コラム

ごあいさつ
この度、原土井病院整形外科部長に着任しました瀬尾 哉(せお はじめ)と申します。これまで、整形外科医として骨折手術や関節温存手術、人工関節手術を数多く執刀し、整形外科の各分野で臨床経験を積み重ねてまいりました。 これまでに培った臨床経験や技術を活かし、一般整形外科、スポーツ外傷、骨粗鬆症など幅広く診療を行ってまいります。地域の皆様が安心して通院できる医療機関を目指し、一人一人に合った質の高い診療を提供するよう心掛け、励んでまいります。どうぞ、宜しくお願い申し上げます。
整形外科が担当する疾患
整形外科では、「運動器」の疾患や外傷を担当します。「運動器」とは身体運動に関わる骨、関節、筋肉、靭帯、神経などの総称です。「運動器」はそれぞれが連携して働いており、どのひとつが悪くても身体はうまく動きません。運動器の障害は、歩行・食事・入浴などの日常生活動作に影響を与えるだけでなく、仕事やスポーツ活動などの日々の生活に支障をきたすことがあります。運動器の障害で困っている患者さんが、生き生きとした生活を取り戻せるよう診療を通して支援します。四肢の骨折はもちろんのこと、加齢に伴う変形性関節症、スポーツ外傷(けが)、骨粗しょう症など幅広い診療を行っています。
代表的な整形外科疾患
1.変形性膝関節症
中年期以降に多く生じ、歩行時や立ち座りの際などの痛みの原因となります。
変形の程度に応じ、まず保存加療(痛み止めの使用、ヒアルロン酸の注射、リハビリテーション)を行います。保存加療では効果がみられない重度の変形性膝関節症に対しては、手術を行います。手術方法は人工膝関節置換術、または膝関節を温存する希望がある方には、適応を慎重に判断し膝周囲骨切り術も行います。
2.変形性股関節症
中年期以降に多く生じ、本邦では寛骨臼形成不全をベースとして発症する方が多数です。歩行時や立ち座りの際などの痛みの原因となります。変形の程度に応じ、まず保存加療(痛み止めの使用、リハビリテーション)を行いますが、保存加療では効果がみられない変形性股関節症に対しては、年齢など考慮して人工股関節置換術を行います。またレントゲンで股関節の変形が軽度の方でも、大腿骨頭壊死症や大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折などが隠れていることもあります。他院で「問題ない」と診断された方も、疼痛が強く生活に支障があるようであれば一度検査をお勧めします。
3.骨粗しょう症
骨粗しょう症は、骨量の低下や骨質の悪化による骨強度の低下を来し、骨折しやすくなる疾患です。転んで手をついた、重いものを持ち上げた、自宅でしりもちをついたなど、日常生活の中の少しの外力でも骨折してしまうことがあります。また、骨折をしなければ症状がないので、気付かないうちに発症・進行していることがあります。背骨に関しては、「いつの間にか骨折」(圧迫骨折)していることもあります。背中が丸くなってきた、身長が低下した、骨粗鬆症の家族がいるなどの人は、骨X線撮影や、骨密度測定により骨折の有無、骨密度低下を見つけることが大切です。
新体制となった整形外科
2025年4月からは私と大串美紗子先生との2名体制でスタートすることになりました。前任の先生方が築かれてきた伝統を継承しつつ、さらにアップデートしながら診療を行ってまいります。今まで以上に手術が必要な患者さんを積極的に受け入れ、地域医療の貢献のために精進していく所存です。運動器の障害でお困りの患者さんは、お気軽にご相談ください。
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