禁煙外来
喫煙が体にもたらす影響
喫煙することで体に直接影響をもたらすものとして肺気腫があります。酸素と二酸化炭素を交換する肺胞という組織が煙によって破壊される疾患です。若いうちは自覚症状もありませんが、50歳以降から息苦しさなどの症状が次第にあらわれます。重症になると歩くなどの日常動作でも息苦しさを感じるようになり、酸素を吸入しなければ生活ができない状態になります。また一度壊れた肺胞は元に戻すことはできません。
間接的な影響では心筋梗塞や脳梗塞があります。タバコの煙に含まれるニコチンなどの物質は動脈硬化を促進させ、その結果心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしてしまいます。また肺がん以外のがん、咽頭がんや喉頭がん、胃がんなど煙が通る部分のがん、また膀胱がんに罹るリスクも高まります。その他、肺の組織が壊れることで肺炎のリスクも高くなります。
上記にあげたがん、心筋梗塞、脳梗塞、肺炎は日本人の死因1位~4位を占め、実に日本人の11人に1人が喫煙に関連する疾患で亡くなられている計算になります。


周囲への影響
周囲への影響も見過ごすことはできません。なぜなら主流煙よりも副流煙のほうがはるかに多くの有害物質を含んでいるからです。副流煙を吸うことでリスクが高まるといわれているのが肺がん、心筋梗塞、喘息です。また小児では喘息や気管支炎、中耳炎などのリスクが高まります。
妊娠中の女性がたばこを吸うことで胎児に与える影響も深刻です。非喫煙者よりも胎児の発育が悪く、出生時の体重が平均で200g少ない、知的発育の面で差が出る、と言われています。
禁煙外来の治療について
禁煙外来では3か月に5回(初診、2週目、4週目、8週目、12週目)通院していただきますが、保険を適用するためにはいくつかの条件があります。
禁煙治療が保険の適用となる場合
- 直ちに禁煙しようと考えていること
- ニコチン依存症と診断されていること(TDSスクリーニングテストで5点以上)
- ブリンクマン指数が200以上であること(1日の喫煙本数×喫煙年数)
- 禁煙治療を受けることを文書により同意していること
※上記条件を満たさず、禁煙治療を受ける場合は全て自己負担となります。
TDSスクリーニングテスト
問1 | 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか? |
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問2 | 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか? |
問3 | 禁煙したり本数を減らそうとした時に、タバコが欲しくて欲しくてたまらなくなることがありましたか? |
問4 | 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、次のどれかがありましたか? ・イライラ・神経質・落ち着かない・集中しにくい・ゆううつ ・頭痛・眠気・胃のむかつき・脈が遅い・手の震え・食欲または体重増加 |
問5 | 問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか? |
問6 | 重い病気にかかった時に、タバコはよくないと分かっているのに吸うことがありましたか? |
問7 | タバコのために自分に健康問題が起きていると分かっていても、吸うことがありましたか? |
問8 | タバコのために自分に精神的問題が起きていると分かっていても、吸うことがありましたか? |
問9 | 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか? |
問10 | タバコが吸えないような仕事や付き合いを避けることが何度かありましたか? |
「はい」が5個で保険適用対象
喫煙はあなただけでなく、周囲の人の命をも脅かします。
禁煙をお考えの方は、お気軽にご相談ください。
医師紹介
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