─統合医学の広場=青葉養生塾─ <平成16年8月>

最近、東洋医学の他にも、代替医療や統合医学という言葉が目につき耳に聞こえるようになってきました。私個人としましてもとても興味がある分野ですので、この機会にこの大好きなテーマで私論を展開してみたいと思います。この作業を通じて、統合医学の将来像が見えてくることを期待しつつ・・・。

<大事なことは一人の人間の存在に集約されること>

 多様な伝統医学や代替医療が行われていますが、その全てを知り実践できる訳ではありません。一番大切に私がしていることは、患者であれ治療者であれ、その人一人の存在や身体・感性にうまくフィットした組み合わせなのです。だから、私の中にうまく納まる形は、気功+漢方+現代西洋医学+鍼灸+操体+対話+物語・・・なのです。そして患者さん自身の心身にうまく合うスタイルもありますので。お互いの感性というか存在がうまく共鳴しあうような診療スタイルや養生法の在り方を尊重しています。十人十色というか各人各様なので、決して画一化されるものではないと考えています。

<原土井病院外来での東洋医学診療の概要>

 通常の内科診療をベースにしているつもりですが、簡単な漢方処方や鍼灸治療も病状に応じて併用しています。とくにお灸では故・原志免太郎医博の腰部八点と足三里の灸をお伝えしています。気の感覚が敏感そうな方には気功法も紹介したりします。私個人は外気功の能力はありませんので、患者さんや御家族の方々と内気功を楽しむようにしています。難しい病気は治せませんので、簡単な病気が自然治癒するようにお手伝いしているレベルの東洋医学外来診療です。

 

1.漢方診療
 当院ではエキス剤が約30~40種類採用されていますので、この範囲内で対応しています。完治までは難しくても、改善への方向転換くらいは十分対応出来るように思います。虚弱高齢者や冷え症の女性が多いですね。
2.鍼治療
 浅く刺すタイプです。私自身の気の感覚に従い鍼を刺し、体内の気の流れを活性化させたいのです。気の共鳴・いのちの共鳴による心身の変化を期待します。
3.お灸
 一つには原式灸法を伝えています。その他には、私自身の感性として、背骨の両側のお灸をする方法を紹介しています。冷え症の方にはいいですね。しもやけの中学生も週一回のお灸にて改善していましたよ。
4.雑談めいた病状説明
 病気に対する理解や考え方を東洋医学的な視点から揺さぶりをかけたりします。普通の一般検査や内服治療も当然必要ですので、話し合いながら行います。患者さんの自主性・自律性が損なわれないように、こちらから押し付けるようには診療はしていません。対話そのものが治癒への力となるような気がします。
5.入院治療の対応はありません。
 現在の状況では、東洋医学を期待しての入院は対応出来ません。入院が必要なくらい病状が深刻なときは大人しく現代医学を受けて下さい。その方がきっとハッピーでしょう。
6.健康補助食品etc.
 病院における医療としては何も勧めてはいません。個人で摂りたい方には1-2種類くらいで様子をみるように指導しています。月に合計5万円を越さない程度がよいと感じています。末期癌の方々にはなおさら何も勧めません。まずは食事が入ることの方が大切です。
7.気功指導
 簡単に実行できる気功を紹介しています。また、外来診察中でも、気の感覚が分かる方には内気功と外気功の中間みたいなことをしています。気の響き合いを楽しむという感じです。
8.気功的感性に基づく養生法の指導
 決まった形はないのですが、患者さんや家族の方と話し合いながら病気の意味を理解し、身体や病気との付き合い方を提案しています。患者さん本人からのこだわりの養生法も当然尊重していますよ。

<日々の暮らしの養生法>
養生ばかりしていても人は死にますし、寿命もなかなか120年を超えることはありません。親から頂いたこの体といかに上手に(誤魔化しながら)付き合っていくか?そういう感性の養生を子供の頃から習得していくといいですよね。足腰から冷えると調子が悪くなるとか、午前中にお湯を飲むと便意を催すとか、自分自身の身体の癖を知ることは大事です。当然、両親の体質を理解することも重要です。また、その住んでいる地域の気候風土や食文化の影響もあるでしょう。・・・昔ながらの知恵みたいなものでしょうか。これはやはり文化ですから少しずつ育んでいくに限りますよね。

<気功を中心に見直した東洋医学⇒統合医学>
 気(=生命力)を高めるとか、気の流れを刺激するとか、様々な能動的・筋トレ的な気功法もよいでしょうが、私自身は音感を磨くような「気の感性」を育む気功が好きです。単に漢方薬を服用するとか、鍼灸治療を受けるというだけではなくて、自分の身体や病気とまずまずの付き合いで生きていく、そういう自律性を幾分高めるような東洋医学・統合医学を模索しています。患者さん・ご家族と医療者との対話の中で、少しずつ形が生まれてくるのが理想でしょう。
 気功そのものは本来は分けるものではないのでしょうけど、話を簡単にする意味で、
 「内気功・外気功」、「気を高める ⇔ 気の感性を育む」、という具合に分けてみました。

<リラックス・自然体・上虚下実>
 肩や上半身の力が抜けてゆったりとリラックスできている様子は気功の一つの理想です。腹式呼吸がよく勧められていますし、実際リラックスしているときはそうなっています。こめかみや肩・背部・鳩尾の硬くなった緊張が緩み、力が下腹部に集中することが目標なのです。そういう気功的自然体を表す言葉として「上虚下実」があります。

<青葉養生塾>
 気功教室としての養生塾がこの9月にて終わりますが、このネット上の空間にてその内容を継続させていきたいと思います。また、これからは病院の中でも、予防医学や代替医療、統合医学の必要性が高まるものと予想しています。

<操体法を体験してみる>
 故・橋本敬三氏が提案された操体法は緊張-脱力・弛緩により心身の調和・安定の回復の能力を高めます。最近では身体の緊張時の連動運動を引き出す運動が評価されています。福岡市東区では西戸崎(志賀島の手前)の「整体の爽快館」の宇野氏が指導や治療に精力的に頑張られています。筋肉の緊張のアンバランスによるものを自分自身で調整する技術の一つでしょう。詳しくは「整体の爽快館」のホームページを参照して下さい。
私はいつもリラックスして眠くなります。

<原志免太郎>

お灸で医学博士を取られた故人は、腰部八点と足三里の灸にて万病を「癒していた」みたいです。彼に診察してもらうだけでも具合がよくなる方もいたのです。治療法も独特ですが、彼の存在そのものから発信される何かが多くの方々の生命を揺さぶったのであろうと推察しています。仏教にも造詣が深かった故人の魂からの力でしょうか。

<手の感覚に委ねる>

手は不思議なものです。気の感覚に素直に任せると、自然と動き出し必要な所へと移動します。手そのものに生命が宿っているようです。手技療法の他にも、「お手当て・手かざし」、野口整体の「愉気」など古くから手によって表現されるヒーリングがあります。あまり難しく構える必要もありません。親が病気の子供に自然と手を当てる感覚に近いものと御理解下さい。本来、特別なものではなく、ごくごく自然かつ平凡なものなのでしょう。
 簡単な実験としては、冷え症などで便秘の方はお腹に手を当ててもらうだけでグルグルと動き始めます。物理的な力を殆ど用いませんから、危険はないでしょう。自律神経理論や遠赤外線などの波動理論など説明は多種多様なものがありますが、簡単な気功的体験にはまず理論よりも経験の積み重ねでしょう。・・・そのうち、各自で気の世界のことも分かるようになるものだと、私は考えています。
 手を使った一人気功や二人気功、さらにはグループワークなど案外簡単に応用が広がり楽しいものです。本当に「気の合う」仲間で気功を楽しむのは愉快なものです。

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